手作り市・クラフトイベントの出展にかかるお金と、元を取る売上の目安

手作り市・クラフトイベントの出展にかかるお金と、元を取る売上の目安

ネットだけでなく、手作り市やクラフトイベントに出展して作品を売る方法もあります。お客さまに直接手に取ってもらえる反面、出展料や交通費が先にかかるので、どれだけ売れば元が取れるかを出展前に計算しておくと安心です。

この記事では、大きなクラフトイベントの出展料の例(2026年10月31日に公式ページなどで確認)を使って、出展にかかるお金と、元を取るのに必要な売上の計算方法を説明します。出展料や条件はイベントや回ごとに変わるので、申し込む前に必ず各イベントの募集要項を確かめてください。

対象読者:手作り市やクラフトイベントへの出展を考えているハンドメイド作家の方。

1. 出展料の例

デザインフェスタ(東京ビッグサイト)

アート・クラフト・デザインの大きなイベントです。公式サイトの「明るいブース」のページ(2026年6月2日〜15日に受付した回)では、出展料は次のとおりでした(税込)。

ブース 土曜 日曜 両日
S 17,000円 17,000円 27,000円
M 29,000円 29,000円 48,000円
L ― ― 72,000円(両日のみ)

公式ページには「机や椅子などのご用意はございません」とあり、机・椅子は自分で用意するか、レンタルで用意します。原宿のギャラリーで開く小さな回「デザインフェスタmini3」(2027年1月29日〜31日の3日間)は、1ブース20,000円と発表されています(2026年10月5日のプレスリリース)。一般ブースの抽選の受付は、2026年10月14日で終わっています。

HandMade In Japan Fes’(東京ビッグサイト)

全国のクリエイターが集まるハンドメイドのイベントで、出展は選考制です。公式サイトの「出展ブースについて」のページ(2026年1月の「冬」の回)では、マーケットのブースは2種類で、次の料金でした(税込)。公式ページでは「料金①」「料金②」とあるだけで、ブースの広さは文章では書かれていません(画像で案内されています)。表の「ブースA・B」は、この記事での呼び名です。次の回(2027年3月の予定)では料金が変わる可能性があります。

ブース 1日 両日 Creema作家割引(1日/両日)
ブースA(料金①) 22,000円 39,600円 20,900円/37,400円
ブースB(料金②) 14,700円 26,000円 14,000円/25,000円

選考の結果の連絡を受けた日を含めて7日以内(土日祝を含む)に出展料を払い、入金が確認されて出展が決まる流れです。

地域の手作り市

神社やお寺の境内などで毎月開かれる手作り市は、出展料が大きなイベントより低いことが多いですが、金額は市ごとに違い、公開していないところもあります。たとえば京都の上賀茂手づくり市は、京都の観光案内のページ(京都観光Navi)に「出店は有料」とあるだけで、金額は載っていません。出展を考えるときは、主催者の募集要項を見るか、問い合わせます。

2. 出展料以外にかかるお金

  • 備品:机・椅子(レンタルか持ち込み)、テーブルクロス、ディスプレイ用の棚・什器
  • 交通費:会場までの往復、車なら駐車場代。遠方なら宿泊費
  • 運搬:作品と什器を送るなら、その送料
  • 会計:釣り銭、値札、袋。キャッシュレス決済を使うならその手数料
  • 宣伝:ショップカード、チラシ、SNS での告知
  • 時間:準備(作品の作りためを含む)と当日の拘束時間

什器や看板は、一度そろえれば次の出展でも使えます。初めての出展では、出展料と同じくらいの費用が別にかかることもあります。

3. 元を取る売上の計算

式

1個あたりの粗利 = 販売価格 −(材料費+梱包材)
元を取る販売数 = 出展にかかるお金の合計 ÷ 1個あたりの粗利(切り上げ)
元を取る売上  = 元を取る販売数 × 販売価格

例:平均3,000円の作品を売る場合

材料費と梱包材は1個あたり900円、粗利は2,100円とします。備品・交通費は、什器をすでに持っていて、近くから出展する場合の仮の金額です(机・椅子のレンタル代と、1日あたりの交通費を、出展日数に合わせて入れています)。初めてで什器もそろえるなら、合計はこれより増えます。

出展のしかた 出展料 備品・交通費(仮) 合計 元を取る販売数 元を取る売上
デザインフェスタ S・1日 17,000円 5,000円 22,000円 11個 33,000円
デザインフェスタ S・両日 27,000円 7,000円 34,000円 17個 51,000円
HandMade In Japan Fes’ ブースB・両日 26,000円 4,000円 30,000円 15個 45,000円

この計算には、作る時間や当日の時間(自分の時給)は入っていません。時間も入れて考えるなら、粗利から作業時間の分を引いてから割ります。値段に作業時間を入れる計算は、「作品の値付けの計算|材料費・時間・手数料・送料から赤字にならない値段を出す」の記事にまとめています。

1日と両日の比べ方

上の例では、両日出展は1日より出展料の1日あたりの額が安くなります(Sブースなら1日17,000円、両日なら1日あたり13,500円)。ただし、2日分の作品を用意する必要があり、2日目は1日目より来場者が少ないこともあります。初めてなら、1日で様子を見るのも一つの方法です。

4. 売上だけで判断しないこと

イベント出展は、その日の売上だけでは元が取れないこともあります。それでも出展する理由になりうるのは、次のような効果です。

  • ネットのお客さまが増える:ショップカードを渡し、後日ネットショップで買ってもらう
  • 反応が見られる:どの作品が手に取られるか、値段を見て戻されるかを、直接確かめられる
  • ほかの作家や取引先とのつながり:委託販売やコラボの声がかかることがある

これらを期待するなら、ショップカードを何枚配れたか、SNS のフォローが何人増えたかなどを記録しておくと、次に出展するかを判断しやすくなります。

5. まとめ

  • 今回調べた2つの大きなイベントでは、1ブースの出展料は1日1万5千円前後〜3万円ほど、両日で申し込むと1日あたり1万3千円台だった(2026年に確認した回)。机・椅子は付かないことがある
  • 出展料のほかに、備品・交通費・運搬・釣り銭・宣伝などがかかる。初めての出展では、出展料と同じくらい別にかかることもある
  • 元を取る販売数は「出展にかかるお金の合計 ÷ 1個あたりの粗利」で出す。平均3,000円・粗利2,100円の作品を、この記事の仮の費用で計算すると、両日で15〜17個が目安
  • 売上だけでなく、ネットのお客さまや反応を得る場として、記録をつけて判断する
  • 出展料や条件は回ごとに変わるので、申し込む前に各イベントの募集要項を確かめる

参考:デザインフェスタ「明るいブース」 https://designfesta.com/app-booth/ ・HandMade In Japan Fes’「出展ブースについて」 https://hmj-fes.jp/booth ・「出展のお申込み」 https://hmj-fes.jp/guide ・デザインフェスタmini3 プレスリリース https://www.inside-games.jp/release/prtimes/20261005/310957.html ・京都観光Navi「上賀茂手づくり市」 https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=9217 (2026年10月31日に確認)

アイキャッチ画像:Image by ArmbrustAnna from Pixabay