日本から Etsy で作品を売るときにかかるお金と手間

日本から Etsy で作品を売るときにかかるお金と手間

Etsy は、ハンドメイド作品やビンテージ品を世界中の買い手に売れるマーケットプレイスです。日本からも出店できますが、国内のフリマアプリやハンドメイドサイトと比べると、手数料の種類が多く、海外発送の手続きもひと手間かかります。とくに 2025〜2026 年は、アメリカ向けの関税の仕組みが大きく変わりました。

この記事では、日本から Etsy で作品を売るときに「何に、いくらかかるか」「発送で何をしなければならないか」「売上をどう受け取るか」を、Etsy 公式ヘルプと日本郵便の案内をもとに整理します。

料率・条件の確認日:2026年10月31日(Etsy ヘルプセンター、日本郵便の「海外に送る」お知らせ)。手数料や関税の扱いはたびたび変わるので、出品前に公式ページで最新の内容を確かめてください。

対象読者:日本から Etsy で作品(物の商品)を売ることを考えている個人の作家・小規模ショップの方。

1. Etsy でかかる手数料の一覧

まず、Etsy に払う手数料を一覧にします。

手数料 料率・金額 かかるとき
出品料 1商品につき 0.20 米ドル 出品したとき(売れなくてもかかる)。4か月ごとの自動更新、複数個売れたときも
取引手数料 注文総額の 6.5% 売れたとき。商品代金に加え、送料・ギフトラッピング代にもかかる
決済手数料(入金手数料) 6% + 0.30 米ドル(日本の銀行口座の場合) 売れたとき。送料・税を含む売上の合計にかかる
通貨換算手数料 2.5% ショップの通貨と、支払い口座の通貨が違うとき
オフサイト広告手数料 15%(条件により 12%)。1注文あたり上限 100 米ドル Etsy が外部サイトに出した広告から売れたとき

このほか、Etsy 内の広告(Etsy 広告)を使えば広告費がかかります。また、日本の出品者には、Etsy の手数料に対して日本の消費税(JCT)がかかる場合があります。毎月の請求書に内訳が載るので、確定申告のときに確認してください。

出品料

出品1件ごとに 0.20 米ドルかかります。出品は4か月有効で、自動更新にしておくとそのたびに 0.20 米ドルがかかります。1つの出品から同じ商品が2個売れた場合も、自動更新で出品が続く分、もう 0.20 米ドルかかります。

金額は小さいですが、「売れなくてもかかる」点に注意してください。点数を多く並べて様子を見るやり方だと、少しずつ積み上がります。

取引手数料と決済手数料

売れたときにかかる主な手数料はこの2つで、別々にかかります。

  • 取引手数料 6.5%:商品代金だけでなく、送料にもかかります。海外発送は送料が高くなりがちなので、送料を高めに設定するとその分の手数料も増えます
  • 決済手数料 6% + 0.30 米ドル:日本の銀行口座で受け取る場合の料率です(Etsy ヘルプ「Etsy での販売に関わる入金手数料とは?」)。売上の合計(送料・税を含む)にかかり、入金前に差し引かれます

返金したときは、決済手数料は返金額に応じて戻ってきます。

通貨換算手数料を避けるには

ショップの通貨(商品の値段を付ける通貨)と、支払い口座の通貨が違うと、売上に 2.5% の通貨換算手数料がかかります。日本の銀行口座で受け取るなら、ショップの通貨を日本円にしておくと、この手数料はかかりません。買い手には、それぞれの国の通貨に換算した目安の値段が表示されます。

なお、出品料など米ドル建ての手数料は、その時点の為替レートで支払い口座の通貨に換算されて差し引かれます。

オフサイト広告

Etsy が Google や SNS などの外部サイトに、あなたの商品の広告を出す仕組みです。買い手が広告をクリックしてから 30 日以内にあなたのショップで買うと、その注文に広告手数料がかかります。

  • 過去 365 日の売上が 1 万米ドル未満のショップ:15%。設定で止める(オプトアウトする)ことができます
  • 一度でも 365 日間で 1 万米ドル以上売れたショップ:12% に下がりますが、以後ずっと参加が必須になります
  • どちらの場合も、1注文あたりの広告手数料は最大 100 米ドル

始めたばかりのショップでは、15% はほかの手数料をすべて足したより大きくなることがあります。利益が薄い価格設定なら、最初はオフサイト広告を止めておき、売れ方を見てから判断するのが無難です。設定は「ショップマネージャー」→「設定」→「オフサイト広告」にあります。

手数料の試算

商品代金 10,000円、送料 2,000円(注文総額 12,000円)の注文で計算してみます。1米ドル=150円と仮定します。

項目 計算 金額
出品料 0.20 米ドル 約30円
取引手数料 12,000円 × 6.5% 780円
決済手数料 12,000円 × 6% + 0.30 米ドル 720円 + 約45円
合計(オフサイト広告なし) 約1,575円(注文総額の約13%)
オフサイト広告経由の場合 + 12,000円 × 15% +1,800円 → 約3,375円

広告を経由しない注文でも、注文総額の 13% 前後が手数料になると考えておくと、値付けの目安になります。ここに送料の実費、梱包材、関税の事前払い(次の章)が加わります。

2. 送料と発送方法

日本から海外に送る方法は、大きく分けて日本郵便の国際郵便と、民間の国際宅配便(FedEx・DHL など)です。個人の作家が小さな作品を送るなら、日本郵便がいちばん身近です。

  • 国際郵便(小形包装物・国際小包・EMS):郵便局の窓口で差し出せます。軽い物は小形包装物、重い物や急ぐ物は国際小包や EMS
  • 国際宅配便:料金は高めですが、追跡や補償がしっかりしていて、関税の事前払い(DDP)にも対応しやすい

送料は Etsy の出品画面で、国や地域ごとに設定します。前の章のとおり、送料にも取引手数料と決済手数料がかかるので、送料は実費だけでなく手数料分も見込んで決めます。

また、Etsy の購入者保護(Etsy Purchase Protection)は、追跡番号のある発送が前提です。高額な作品は、追跡と補償のある方法で送ってください。

3. 関税と「誰が払うか」

海外に送った荷物には、届いた国で関税や消費税(VAT など)がかかることがあります。ここは国によって仕組みが違い、2026 年はとくにアメリカが大きく変わりました。

アメリカ:関税の事前払い(DDP)が前提に

  • アメリカは 2025年8月29日に、800 米ドル以下の荷物を関税なしで通す制度(デミニミス)をやめました。少額の荷物にも関税がかかります
  • Etsy は 2026年7月9日から、アメリカ国外からアメリカの買い手に送る注文で DDP(関税込みで届ける=送り主が関税を先に払う) を使うことを求めています。DDP で送らないと、その注文は Etsy の購入者保護の対象外になり、遅延や紛失で買い手がケースを開いたとき、返金を負担することになります
  • 日本郵便は、アメリカあての郵便物を一時止めたあと、2026年4月から段階的に再開し、2026年10月15日から原則すべての郵便局で引き受けています。ただし、物品(2,500 米ドル以下)は、認定事業者(Zonos・SafePackage)のアプリで事前に申告し、関税を前払いすることが条件です

日本郵便でアメリカに送るときの区分は次のとおりです(2026年10月23日からの条件)。

内容 事前申告・関税の前払い
書類・印刷物など 不要
個人間の贈り物(100 米ドル以下) 任意(2027年1月19日まで。登録を推奨)
上記以外の物品(2,500 米ドル以下) 必須
2,500 米ドルを超える物品 アプリ不要。受取人が現地で関税を払う

Etsy で売った作品は「贈り物」ではなく商品なので、事前申告と関税の前払いが必要です。前払いすると、宛名ラベルの上の余白に「DDP-」と 13 桁の申告番号が入ります(自動で印字されなければ手書き)。認定事業者には手数料がかかり、関税がゼロの物でも手数料はかかります。送り状作成サービス「Ship&co」でも、Zonos と連携した関税前払いの送り状が作れます。

関税は送り主が先に払うので、その分を商品代金か送料に含めておく必要があります。Etsy の出品画面には、アメリカの関税の目安を出す計算機(US Estimated Tariffs Calculator)があり、HS コード(品目の分類番号)の候補も出してくれます。

EU・イギリスなど:付加価値税は Etsy がまとめて徴収

EU・イギリスなどでは、少額の荷物にかかる付加価値税を、Etsy が買い手から預かって納めます。

国・地域 Etsy が徴収する条件
EU 荷物の価格(送料を除く)が 150 ユーロ以下
イギリス 荷物の価格(送料を除く)が 135 ポンド以下
オーストラリア 1,000 豪ドル以下(GST 10%)
ニュージーランド 金額にかかわらず(GST 15%)
スイス 金額にかかわらず

EU あてでは、Etsy の IOSS 番号(EU の付加価値税をまとめて納める仕組みの登録番号)を、配送業者に電子データで渡す必要があります。番号が伝わらないと、買い手が受け取るときに税をもう一度請求されることがあります。

また、EU では 2026年7月1日から、150 ユーロ以下の荷物にも商品1点あたり 3 ユーロの関税がかかるようになりました。さらに 2026年11月1日からは、1点あたり 2 ユーロの手数料が加わる予定です。誰がどう払うかは配送業者によって違うので、EU 向けの送料・価格設定も見直しておくと安心です。

これら以外の国では、原則として買い手が受け取るときに関税を払います。ショップの方針や商品ページに「関税は含まれていません」と書いておくと、トラブルを防げます。

4. 通関書類

国際郵便で物を送るときは、税関告知書(CN22 または CN23)が必要です。今は手書きではなく、日本郵便の「国際郵便マイページサービス」や Ship&co などで作り、データとして送るのが基本です。

書類に書く主な項目は次のとおりです。

  • 内容品の説明:「gift」「handmade item」のようなあいまいな書き方ではなく、「ceramic mug」「cotton tote bag」のように素材と品名を具体的に
  • 数量・重さ・価格:価格は商品の値段で、送料や税は含めない
  • 原産国:日本で作った作品なら Japan
  • HS コード:アメリカあては 10 桁の HTS コードが必要

Etsy で配送ラベルを作れる国では、商品の情報から書類の一部が自動で入りますが、日本から郵便で送る場合は自分で入力することになります。よく売る作品は、品名・HS コード・重さをメモしておくと毎回の入力が楽になります。

ハマりやすい点

  • 「贈り物(Gift)」にしない:関税を避けるつもりで売った物を贈り物として申告すると、虚偽の申告になります。Etsy の注文は商品(Sale of goods)として申告してください
  • 申告額と注文額を合わせる:申告額が実際より低いと、通関で止まったり、買い手に追加の請求がいったりする原因になります
  • アメリカあてはアプリでの手続きが先:郵便局の窓口に行く前に、認定事業者のアプリで申告と関税の支払いを済ませておく必要があります

5. 売上の受け取り方

Etsy の売上は「Etsy ペイメント」でまとめて受け取ります。買い手はクレジットカード・PayPal・Apple Pay などで払えますが、出品者はそれを意識せず、Etsy の支払い口座に売上がたまります。

  • 入金先:ショップに登録した、日本の銀行口座に日本円で入金されます。PayPal やクレジットカードへの入金はできません
  • 入金のタイミング:入金の設定に従って振り込まれます。新しく始めたショップでは、売れてから おおむね 14 日後 に入金できるようになります。実績のあるショップは、早ければ翌営業日です
  • 準備金(リザーブ):ショップによっては、売上の一部が最大 45 日間保留されることがあります。追跡番号を登録すると早めに解除されます
  • 口座を変えたとき:銀行口座を追加・変更すると、セキュリティのため 5 日間入金が止まります
  • 登録に必要なもの:本人確認と税に関する情報の登録、クレジットカードかデビットカードの登録が必要です。登録が終わっていないと、入金が止まることがあります

手数料は売上から差し引かれるので、入金額は「売上 − 手数料」です。売上が足りないときは、登録したカードに手数料が請求されます。

まとめ

  • Etsy の手数料は、出品料(0.20 米ドル)、取引手数料(6.5%)、決済手数料(日本は 6% + 0.30 米ドル)が基本。広告を経由しない注文でも、注文総額の 13% 前後を見込む
  • 取引手数料・決済手数料は送料にもかかる。ショップの通貨を日本円にすれば、通貨換算手数料(2.5%)はかからない
  • オフサイト広告は 15% と大きい。売上が 1 万米ドルに届く前なら止められる
  • アメリカあては、2026年7月から Etsy が DDP(関税の事前払い)を求めている。日本郵便も認定事業者のアプリでの申告・前払いが条件
  • EU・イギリスなどの少額の荷物は、付加価値税を Etsy が徴収する。EU は 2026年7月から1点 3 ユーロの関税が加わった
  • 通関書類は品名を具体的に、価格は注文と合わせ、贈り物にしない
  • 売上は日本の銀行口座に日本円で入金。新しいショップは売れてから約 14 日後

料率と条件は 2026年10月31日に確認したものです。とくに関税まわりは数か月単位で変わっているので、発送前には Etsy ヘルプセンターと日本郵便の「海外に送る」お知らせを確認してください。

アイキャッチ画像:Image by congerdesign from Pixabay